line icon
接骨院 開業 儲からない人の共通点

接骨院 開業 儲からない人の共通点

なぜ同じ資格・同じ地域でも結果が大きく分かれるのか

接骨院を開業したあと、思ったように売上が伸びず、「こんなはずじゃなかった」「正直、儲からない」と感じている先生は少なくありません。

一方で、同じエリア、同じ柔道整復師という国家資格を持ちながら、安定して利益を出し続けている接骨院が存在するのも事実です。

この差は、才能や運の問題ではありません。
多くの場合、「開業前後の考え方」と「やっている行動」の違いが、そのまま結果に表れています。

私はこれまで全国で接骨院・整骨院の開業支援を行ってきましたが、「儲からない状態に陥る先生」には、驚くほど共通点があります。

この記事では、接骨院を開業しても儲からない人にありがちな考え方や行動を、できるだけリアルな現場目線で整理し、どうすれば回避できるのかまで含めて解説します。

これから開業を考えている先生、すでに開業して不安を感じている先生にとって、自分を客観的に見直すきっかけになれば幸いです。


「腕が良ければ患者は来る」と本気で信じている

接骨院を開業して儲からない人に、非常に多い考え方がこれです。

「技術には自信がある」
「勤務先では指名も多かった」
「腕が良ければ、いずれ患者は増える」

この考え方自体が間違っているわけではありません。しかし、開業という場面においては、極めて危険な思考でもあります。

なぜなら、開業直後の接骨院は「存在自体を知られていない」からです。

どれだけ技術が高くても、そもそも来院してもらえなければ、その技術を体験してもらうことすらできません。
勤務時代の評価や指名は、看板や既存集客の上に成り立っていたものです。

開業後は、技術とは別に「知ってもらう努力」「選ばれる理由作り」が必要になります。
ここを軽視してしまうと、儲からない状態が長期化します。


集客は後回し、開業してから考えればいいと思っている

儲からない接骨院の多くは、開業前の集客準備が圧倒的に不足しています。

ホームページはとりあえず作っただけ
Googleビジネスプロフィールは登録したが放置
チラシや広告は開業後に様子を見てから

この状態で開業すると、最初の数か月がほぼ「無風」になります。

開業初期は、本来もっとも患者さんが動きやすいタイミングです。
「新しくできた院」というだけで、一定の関心を持ってもらえる期間でもあります。

それにもかかわらず、告知も仕組みもない状態で開業してしまうと、そのチャンスを自ら捨てているのと同じです。

結果として、「思ったより来ない」「広告を出す余裕もない」という悪循環に陥り、儲からない状態から抜け出せなくなります。


固定費の高さを深く考えずに開業している

儲からない接骨院に共通する、非常に現実的な問題が固定費です。

特に多いのが、家賃が高すぎるケースです。
月20万円を超える家賃を、開業初期から背負っている先生は少なくありません。

もちろん、立地や条件によって家賃が高くなること自体は否定できません。しかし問題なのは、「売上が安定する前から高い固定費を抱えてしまうこと」です。

売上は患者数に左右されますが、家賃やリース代、人件費は患者がゼロでも発生します。

結果として、
・患者が少ない
・固定費は重い
・利益が残らない

という構造になり、「頑張っているのに儲からない」という状態が続きます。


保険請求だけで何とかなると思っている

「とりあえず最初は保険中心で」
「自費は軌道に乗ってから考える」

この考え方も、儲からない接骨院に非常に多く見られます。

確かに、保険請求は開業初期の患者さんのハードルを下げる側面があります。しかし、療養費を取り巻く環境は年々厳しくなっています。

単価は上がりにくく、ルールは細かく、指導や返戻のリスクもあります。

保険だけに依存した経営は、
・忙しいのに利益が残らない
・常に制度変更に振り回される
という状態になりやすく、「儲からない」という実感につながります。

最初から自費中心にする必要はありませんが、
「将来どう自費を組み込むのか」
「どんな価値を自費として提供するのか」
を考えずに開業すると、後から軌道修正が難しくなります。


「安ければ来る」と価格だけで勝負してしまう

儲からない接骨院ほど、価格を下げることで患者を集めようとする傾向があります。

自費を安く設定する
回数券を無理に割引する
他院より少しでも安く見せる

一時的に患者数が増えることはありますが、長期的には大きなリスクになります。

価格で選ばれた患者さんは、より安い院が出てくれば簡単に離れます。
また、価格を下げるほど、自分自身の首を絞める形になり、忙しさだけが増えていきます。

結果として、
「患者数はそれなりにいるのに、なぜか儲からない」
という状態に陥ります。


口コミや評価を意識していない

今の時代、接骨院を探すときにGoogleマップを見ない人はほとんどいません。

それにもかかわらず、
・口コミが数件しかない
・低評価への返信がない
・そもそも口コミを集めていない

こうした状態を放置している院は少なくありません。

患者さんからすると、口コミは「第三者の評価」です。
どれだけホームページで良いことを書いても、口コミが弱いだけで選択肢から外されることもあります。

儲かっている接骨院ほど、口コミを「自然に増えるもの」ではなく、「仕組みとして作るもの」として考えています。


スタッフや設備を先に増やしすぎている

将来の売上を楽観的に見込み、
・早い段階でスタッフを雇う
・高額な設備を複数導入する

こうした判断も、儲からない原因になりやすいポイントです。

人件費やリース代は、すべて固定費です。
売上が不安定なうちに固定費を増やすと、経営の自由度が一気に下がります。

まずは小さく始め、数字を見ながら段階的に拡大する。
この視点がないと、「忙しいのにお金が残らない」状態から抜け出せません。


「経営はあとで勉強すればいい」と思っている

接骨院を開業して儲からない人ほど、「自分は治療家だから経営は苦手」「数字はよく分からない」と言いがちです。

しかし、開業した瞬間から、先生は治療家であると同時に経営者になります。

売上、固定費、利益、キャッシュフロー。
これらを把握せずに経営するのは、地図を持たずに山に入るようなものです。

経営を完璧に理解する必要はありませんが、最低限の数字を見ずに開業すると、なぜ儲からないのかすら分からなくなります。


まとめ
儲からない接骨院には理由がある

接骨院を開業しても儲からない人には、はっきりとした共通点があります。

技術だけに頼る
集客を後回しにする
固定費を軽視する
保険に依存しすぎる
価格で勝負しようとする
口コミや経営を後回しにする

これらはすべて、才能の問題ではなく「判断と準備」の問題です。

逆に言えば、これらを一つずつ修正していけば、接骨院経営は十分に立て直すことが可能です。

これから開業を考えている先生は、同じ失敗を繰り返さないための参考に。
すでに開業している先生は、見直すきっかけとして。

この記事が、少しでも役に立てば幸いです。


執筆者
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。

接骨院を開業しようと考えたとき、多くの先生が最初に感じるのは期待と同時に強い不安です。

「本当にやっていけるのか」
「開業しても患者さんが来なかったらどうしよう」
「最近は接骨院は儲からない、厳しいと聞くけど大丈夫なのか」

これらはすべて、開業を考える人なら誰もが抱く自然な不安です。そして実際に、接骨院開業にはいくつものリスクが存在します。

ただし重要なのは、リスクがあること自体ではありません。
リスクを知らずに開業してしまうことが、失敗につながる最大の原因です。

この記事では、全国で接骨院・整骨院の開業支援を行ってきた立場から、接骨院開業における代表的なリスクと、その現実的な回避策を具体的に解説します。

これから開業を考えている方、準備中の方はぜひ最後まで読んでみてください。


接骨院開業で最も大きなリスクは患者が来ないこと

接骨院開業における最大のリスクは、非常にシンプルです。

患者さんが来ないこと。

どれだけ技術があっても、どれだけ想いを込めても、来院がなければ経営は成り立ちません。特に開業初期は、地域での認知がほぼゼロの状態からスタートします。

このリスクを高めてしまう要因として、次のようなケースがよく見られます。

立地が良ければ自然に患者が来ると思っている
広告費をかけることに強い抵抗がある
口コミ対策を後回しにしている
内覧会を行わない、または告知不足

「腕が良ければ患者は来る」という考え方は、残念ながら今の時代には通用しません。技術と集客は別物であり、特に開業初期は“知ってもらう仕組み”が不可欠です。


開業資金が足りなくなるリスク

接骨院開業では、想像以上にお金がかかります。

物件取得費
内装工事費
医療機器
広告費
開業後の運転資金

これらを合計すると、開業前後で一気に資金が減っていきます。

ここで非常に多い失敗が、初期費用だけを考えて運転資金を軽視してしまうことです。

開業後すぐに黒字化するケースは少なく、最低でも4か月分、できれば半年分の運転資金を確保しておくことが理想です。資金に余裕がないと、集客に必要な広告費を削ることになり、結果的に患者が増えず苦しくなります。

また、融資前に物件契約をしてしまうのも大きなリスクです。
融資が通らなかった場合、「ではこの契約はどうするのか」という問題が発生します。

基本的には、融資の目処が立つまでは物件契約を急がないことが重要です。


固定費が高すぎて儲からない構造になるリスク

接骨院経営では、毎月必ず発生する固定費が大きな負担になります。

中でも特に注意したいのが家賃です。
家賃が20万円を超える物件は、開業初期の経営に大きなプレッシャーを与えます。

患者数が少なくても家賃は発生します。
売上が安定するまでの期間、この固定費に耐えられるかどうかが重要です。

家賃が高いから患者が集まる、ということはありません。
むしろ固定費を抑え、その分を広告やサービス改善に回した方が、結果的に経営は安定しやすくなります。


立地選びを間違えるリスク

立地は接骨院経営において重要な要素ですが、誤解されやすいポイントでもあります。

人通りが多い
駅前で目立つ

こうした条件が必ずしも成功につながるわけではありません。

実際に重要なのは、患者さんが通いやすいかどうかです。

住宅街から離れているのに駐車場がない
駅から遠いのにアクセス手段が乏しい

こうした条件は、集客面で大きなリスクになります。

また、数字だけの地域調査に頼りすぎるのも危険です。それよりも、近隣に小学校や中学校があるか、マンションや住宅地があるかといった生活動線を見ることが重要です。


広告に頼りすぎるのもリスクになる

広告は接骨院開業において非常に有効な手段です。
広告費をかけること自体は、決して悪いことではありません。

ただし、広告だけに頼る構造はリスクになります。

広告で来院しても、

説明が分かりにくい
料金体系が不透明
通院するメリットが伝わらない

こうした状態ではリピートにつながりません。

広告は入り口であり、院内での説明、導線、通院設計まで含めて考えることが重要です。


口コミや評価を軽視するリスク

現在、接骨院を探す人の多くがGoogleマップの口コミを確認します。

口コミが少ない
評価が低い
返信がされていない

この状態は、新規患者にとって大きな不安材料になります。

開業後は意識的に口コミを集める仕組みを作る必要があります。
一つの目安として、30件以上の口コミがあると、集客が安定しやすくなります。


スタッフを入れる判断を誤るリスク

売上が伸びそうだから、忙しくなりそうだから、という理由で早期にスタッフを雇うのもリスクです。

スタッフを入れると施術数は増えますが、人件費という固定費も同時に増えます。

まずは一人治療院として安定させるのか
最初から複数人体制でいくのか

明確な戦略が必要です。


保険に依存しすぎる経営のリスク

療養費を取り巻く環境は年々厳しくなっています。

保険請求だけに依存した経営は、制度変更や指導の影響を強く受けます。そのため、将来的に自費施術をどう組み込むかは、開業時点から考えておくべき重要なポイントです。

最初から自費100%にする必要はありませんが、選択肢として用意しておくことが経営の安定につながります。


リスクを理解して開業することが成功への近道

接骨院開業には確かにリスクがあります。
しかしその多くは、「知らなかった」「考えていなかった」ことで生じます。

事前にリスクを理解し、順序立てて準備を進めれば、失敗の可能性は大きく下げることができます。

不安を感じることは悪いことではありません。
その不安を一つずつ整理し、対策を取ることが成功への第一歩です。


執筆者
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。
集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。

「開業しても患者さんが来なかったらどうしよう…」
接骨院を開業しようと考えた多くの先生が頭によぎる不安です。私も全国で多くの先生の開業支援をしてきましたが、この不安を持つのはごく自然なことです。逆に言えば、開業前に正しい準備と優先順位を理解していれば、その不安の大半は事前に取り除けます。本記事は「接骨院 開業 失敗」をテーマに、現場で繰り返し見てきた失敗パターンと、それを避け成功に結びつけるための具体的な対策を徹底的に解説します。

まず結論:失敗しやすい開業は“順番を間違えている”ことが多い
開業は「何をするか」も大事ですが、それ以上に「いつ・どの順番で進めるか」が重要です。物件を先に決めたり、資金計画が甘かったり、地域と関係を築かないままスタートすると、時間とお金の両面で取り返しのつかないことになります。以下で具体的に掘り下げていきます。

物件契約は”融資決定後”が鉄則(融資前に契約すると最悪の事態に)
非常に多い失敗は「融資前に物件契約をしてしまう」ことです。日本政策金融公庫などの創業融資は事業計画、自己資金、家賃負担率、経歴など複合的に判断します。融資が下りない場合、既に支払った保証金、仲介手数料、前家賃、内装キャンセル料などの負担がすべて自分にのしかかります。最悪の場合、開業自体が頓挫します。契約前に融資の目安を取り、可能なら融資決定を先に得ることを強く推奨します。どうしても先に押さえたい場合は「条件付きの仮押さえ」や「短期の仮契約」など、リスクを減らす工夫を大家や仲介と相談してください。

家賃20万円以上は開業リスクが高い──固定費管理の重要性
家賃は固定費の中でも最もインパクトが大きい項目です。家賃が高いと、来院が安定する前に資金繰りが苦しくなります。モデルケースを一例で示すと、客単価4,000円、1日20人、月営業日25日で月商は200万円になりますが、そこから家賃20万円(共益費込みで25〜30万円相当)、広告、機器リース、人件費(自分の取り分も含む)を差し引くと、手元に残る余地は小さくなります。最初の1〜2年で家賃負担が軽い物件を選ぶことは、経営の安全域を広げます。成功院の多くは12〜18坪、家賃10〜15万円程度でスタートし、その後収益が伸びた段階で移転・拡張を検討しています。

住宅街から離れているのに駐車場がない物件は危険
郊外やロードサイド、車でのアクセスが前提の地域では、駐車場の有無が来院に直結します。特に高齢者や主婦層、送り迎えをする家庭層にとって「停められるかどうか」は来院判断の重要要素です。駐車場がないことで、せっかく近隣に需要があっても来院につながらないケースは少なくありません。契約前には生活導線を想像し、実際に車での導線を確認してください。

地域調査よりも大事な“挨拶回り”──人の信頼が集客の土台になる
データの商圏分析は確かに有益ですが、現場で最も効果があるのは実際の「人とのつながり」です。近隣の小・中学校やマンション管理組合、商店街、町内会、スポーツチームなどに事前に挨拶に回ることで、地域内での認知度と信頼性が大きく変わります。私は多くの先生に、地元の学校・自治会・管理会社・理学療法士やトレーナーなど関連業種への挨拶を薦めています。これだけでも初月の来院数が数名〜十数名変わることが普通にあります。

内覧会をやらないことは大きな機会損失
「内覧会は不要」と考える方もいますが、実際は開業前の最大のPRの機会です。内覧会は地域住民に直接触れてもらい、不安を取り除き、初回の受診動機を作る絶好の場です。簡単な姿勢チェック会、体験施術のデモ、Q&A、地域特典の配布などを行うだけで、認知が大きく上がります。内覧会をしないことで、初期の認知獲得が遅れ、結果として集客立ち上がりが弱くなりがちです。

広告費はかけて良い。ただし“土台”を作ってから投下する
広告費そのものをケチる必要はありません。むしろ開業初期は広告を使って認知を加速させるべきです。ただし、広告は無条件に効果を発揮するわけではなく、ホームページのクオリティ、Googleマイビジネス(MEO)、レビューの数と質、自費メニューの明確さが揃っていないと費用対効果が悪くなります。まずはMEOの最適化、レビュー収集の仕組み、予約導線、自費メニューの説明資料など“受け皿”を整えてから広告費を投入してください。

Googleレビューは開業早期の命綱:目標30件を設定する
現代の患者は来院前に必ずスマホで検索します。Googleレビューの有無と件数は来院率を大きく左右します。特にローカル検索では「レビュー件数」「星の数」「最新の投稿」が重要です。開業初月から積極的にレビュー依頼を行い、3ヶ月以内に30件を目安に集める運用を設計しましょう。レビュー依頼テンプレートやフォローアップの流れを作ることが効果的です。

自費メニューは必須。開業時に“2本柱”を作る
保険収入だけに依存する時代ではありません。自費メニューを最初から設計しておくことが重要です。おすすめは「評価→説明→施術→継続導線」が明確になるメニュー。例としては姿勢矯正プログラム、産後骨盤ケア、スポーツパフォーマンス改善プラン、慢性痛向けの集中ケアコースなど、地域ニーズに合わせて2つの主力メニュー(=2本柱)を用意しておくと良いでしょう。自費の単価設計、回数設計、説明ツール(ビフォーアフター写真や動画、資料)を準備しておけば、保険患者を自費にスムーズに導けます。

現実的な来院数設計:まずは「1日20人」を目安に
開業当初に「毎日30人」を想定するのは現実的ではないことが多いです。まずは1日20人を安定的に診る体制をつくることを最優先にしてください。20人が安定して診られる予約枠、施術時間、回転率、休憩時間設定を作れば、初期の運営は安定しやすくなります。20人が安定したら、広告や紹介で徐々に増員を図るのが安全な成長戦略です。

スタッフの雇用タイミングは慎重に:最初は1人院で回す
開業直後にスタッフを採用すると、人件費が重くのしかかります。採用は院内の業務が回る、かつ予約で安定的に人を捌ける見込みが立ってから判断するのが安全です。まずは院長1人〜パート1名体制で回し、繁忙期や来院増で徐々にシフトを増やす運用が成功しやすいです。

必要投資は“見極め”が大切──高額機器の無駄な導入は避ける
最新機器や高額設備は魅力的ですが、導入は慎重に。地域特性やターゲット層に合った機器選定を行い、機器導入の費用対効果を事前シミュレーションしてください。導入の優先順位は「患者満足に直結するもの」「他院と差別化できるもの」「初期投資回収が見込めるもの」の順です。無理に高額機器を複数入れる必要はありません。

資金計画の現実例と運転資金目安
開業時は初期費用だけでなく運転資金を十分に確保してください。一般的な目安は初期投資(内装、備品、機器、広告、各種手数料)に加え、最低でも100万〜200万円の運転資金を用意することです。想定売上が計画より低かった場合のストレスを減らすために、余裕を持った資金計画を組むことが重要です。

実行チェックリスト(開業前に必ずやること)

  1. 融資の目安を先に確認し、できれば不動産仲介会社から内諾を得る。

  2. 家賃は月20万円以下を基本ラインに検討(できれば10〜15万円)。

  3. 駐車場の有無・生活導線を確認。

  4. 近隣(学校・マンション・商店)への挨拶回りをスケジュール。

  5. 内覧会を計画し、地域向けイベントや無料体験を用意。

  6. Googleマイビジネス登録とレビュー収集プランを構築(3ヶ月で30件目標)。

  7. 自費メニューを2本柱で設計。価格、時間、回数を明確に。

  8. ホームページ・予約導線を整備し、広告は土台完成後に投入。

  9. スタッフ採用は売上安定後に段階的に。

  10. 運転資金を最低100万〜200万円確保。

よくあるQ&A(現場の実務的アドバイス)
Q. 「広告費はいくらが適正ですか?」
A. 最初の3ヶ月は月10〜30万円程度を目安に。MEO・Google広告・内覧会周知に配分すると効率的です。土台(HP・レビュー・自費メニュー)が整っていないと浪費になります。
Q. 「自費メニューはどのくらいの割合を目標に?」
A. 開業初期でも売上の30%を目標に設計、理想は40〜50%に持っていけると安定感が出ます。
Q. 「内覧会は必須ですか?」
A. はい。地域認知を一気に高める有効な手段です。小さなイベントでも効果は大きいです。

まとめ:知識と順番で失敗を避ける
「開業しても患者さんが来なかったらどうしよう…」という不安は、正しい事前準備と順序を踏めば大きく軽くなります。物件選び、資金計画、地域への働きかけ、内覧会、自費メニュー設計、レビュー対策――どれも後回しにできない重要ポイントです。これらを整理して一つずつクリアしていけば、接骨院開業で失敗する確率は格段に下がります。もし個別にチェックしたい点があれば、具体的な物件情報や資金計画を教えていただければ、現場目線でアドバイスします。

執筆:株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援/集客・医療機器・融資サポート

接骨院の開業は本当に儲かるのか?現場で見てきたリアルな収益構造

「接骨院 開業 儲かる」と検索しているあなたは、「本当にこの業界で生活できるのか」「将来的に安定した収入が得られるのか」という不安を抱えているのではないでしょうか。 インターネット上には「接骨院は儲かる」「年収1000万円も可能」といった情報と、「保険が厳しくなりオワコン業界」といった正反対の情報が混在しています。 私は現場で数多くの接骨院・整骨院の開業支援と経営サポートを行ってきました。本記事では、広告ではなく現場ベースの視点で「接骨院開業は本当に儲かるのか?」という疑問に正面から答えます。

接骨院は本当に儲かる業種なのか?

結論からお伝えすると、接骨院は「正しい経営設計ができていれば十分に儲かる業種」です。ただし、かつてのように保険請求だけに依存するモデルでは、安定した利益を出すことは極めて難しくなっています。 療養費制度の厳格化、審査基準の強化、指導監査の増加によって、保険請求の収益性は年々低下しています。 「保険さえやっていれば儲かる」という時代はすでに終わっています。

接骨院開業の収益構造を理解する

接骨院の売上は主に以下の3つで構成されます。

  • 保険診療(療養費請求)
  • 自費診療(矯正・運動療法・物理療法など)
  • 物販収益(サポーター・インソール等)

現在の経営環境では、売上のうち自費診療の割合を30%以下に抑えている院ほど経営が不安定になりやすい傾向があります。 逆に、保険と自費のバランスをあらかじめ設計している院ほど、長期的に安定しています。

儲かる接骨院と儲からない接骨院の決定的な差

儲かる院と儲からない院の最大の違いは「治療家思考か経営者思考か」です。 技術力が高くても経営設計ができていなければ、売上は安定しません。

成功している院は開業前から以下を数値化しています。

  • 1日の必要来院数
  • 平均単価の設定
  • 保険→自費への導線設計
  • 回数券・メンテナンス契約の導線

保険請求に依存しすぎるリスク

「保険が厳しくなったから接骨院は儲からない」という声はよく耳にしますが、本質はそこではありません。 問題は、保険を“収益の柱”にしてしまっていることです。

保険診療は新規患者の入口として極めて優秀ですが、そこから継続的な収益を生み出す設計がなければ、売上は頭打ちになります。 そのため、保険は集客手段、自費は収益手段という役割分担を明確にすることが重要です。

実際に儲かる院がやっている自費診療設計

儲かっている院は、高額メニューを売り込むことよりも「再現性のある仕組みづくり」に力を入れています。

  • 初診時のカウンセリング設計
  • 視覚資料を使った説明
  • 症状改善と自費内容の論理的な紐付け

これにより、自費診療が「売る行為」ではなく、「必要な選択肢」として自然に受け入れられるようになります。

スタッフを雇うかどうかで収益モデルは変わる

「売上を伸ばすこと」よりも重要なのが、「スタッフを雇うかどうか」という意思決定です。

1人院は利益率が高い反面、売上の上限があります。 スタッフを雇えば売上の天井は上がりますが、人件費という固定費が重くなります。

重要なのは数字ではなく、「自分はどんな院を経営したいのか」というビジョンです。 将来的に多店舗展開をしたいのか、地域密着型で長く続けたいのかによって、最適なモデルは大きく変わります。

立地と商圏の考え方

人通りが多い場所が必ずしも成功するわけではありません。 むしろ重要なのは地域の属性です。

  • 高齢者が多い地域
  • ファミリー層が多い地域
  • 学生が多い地域
  • 会社員が多い地域

この属性によってメニュー設計そのものを変える必要があります。

接骨院開業で儲けるための現実的な売上シミュレーション

以下は1人院モデルの現実的な例です。

  • 1日の来院数:25名
  • 平均単価:4,000円
  • 営業日:月22日

25人 × 4,000円 × 22日 = 月商220万円

ここから家賃、広告費、機器リース代、消耗品、人件費(自分の報酬)が差し引かれます。

それでも「儲からない」と感じる人の共通点

儲からない院の多くは、数字を「結果」としてしか見ていません。 一方、儲かる院は「数字を設計」として扱っています。

  • 目標売上から逆算できない
  • 単価設定を感覚で決めている
  • 集客を場当たり的に行っている

これらはすべて開業前に防げる問題です。

接骨院開業で本当に儲かる人の思考法

最後に最も重要なポイントをお伝えします。

接骨院が儲かるかどうかは、業界の問題ではなく「経営に向き合えるかどうか」です。

  • 現実的な数字から目を背けない
  • 他院と比較しすぎない
  • 自分だけのモデルを作れる

この姿勢を持てる人ほど、結果的に「儲かる接骨院経営」に近づいていきます。

まとめ

接骨院の開業は、簡単に儲かる世界ではありません。 しかし、正しい経営設計と現実的な戦略を持てば、十分に収益化できるビジネスです。

「接骨院 開業 儲かる」と検索しているあなたが、過度な不安ではなく、現実的な判断ができるようになることが、この記事の目的です。

この記事を書いた人
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。

「接骨院 開業 保険」と検索している先生は、おそらく次のような不安を感じているのではないでしょうか。

保険請求はこれからも続けられるのか
療養費はこれ以上厳しくなるのではないか
保険だけで経営は成り立つのか
自費はどれくらい考えておくべきなのか

開業直前、もしくは開業を検討している段階でこのような疑問を持つのは、ごく自然なことです。むしろ、ここを曖昧にしたまま開業してしまう方が危険です。

私はこれまで全国の接骨院・整骨院の開業支援に携わり、数多くの院の立ち上げと運営を見てきました。その経験から断言できることがあります。

それは、「保険は終わるわけではないが、保険だけでの安定経営は年々難しくなっている」という現実です。

この記事では、これから接骨院を開業する先生に向けて、保険請求の実情と、これからの経営設計における現実的な考え方を整理してお伝えします。

接骨院における保険請求の仕組みを改めて整理する

接骨院で扱う保険は、いわゆる「療養費制度」です。医科のようなレセプト方式とは異なり、柔道整復師は受領委任契約を結ぶことで、患者さんの一部負担金以外を保険者へ請求できる仕組みになっています。

ここで重要なのは、保険診療は「診療行為」ではなく「療養費の支給申請」であるという点です。

この構造を理解していないまま開業すると、次のような問題が起こります。

支給対象外の症状まで保険で請求してしまう
返戻や不支給が頻発する
指導対象になりやすくなる
最悪の場合、受領委任の取り扱いを停止される

開業前の段階で、保険請求のルールを正しく理解しておくことは、経営の安全性を大きく左右します。

なぜ「療養費は厳しくなっている」と言われているのか

「最近は保険が厳しい」「療養費はもう終わりだ」といった言葉を耳にすることが増えています。

この背景には、いくつかの明確な理由があります。

保険財政の逼迫
不正請求問題の社会化
患者照会の強化
長期・頻回施術へのチェック強化

特に近年は、患者さん本人への「照会」が拡大されており、本当にその施術を受けているのか、負傷原因は正しいのか、といった確認が行われるケースが増えています。

以前のように「とりあえず保険で通る」という時代は、すでに終わっていると考えた方が現実的です。

しかし、ここで誤解してはいけないのは「保険がなくなるわけではない」という点です。

ルールに沿って、適正に請求している院は、現在でも問題なく保険を扱っています。

問題視されているのは「グレー運用」「ずさんな管理」「説明不足」です。

開業前の先生が最も誤解しやすいポイント

これから開業しようとする先生の多くが、次のような誤解をしています。

「保険があるから、集客はそこまで気にしなくてもいい」
「最初は保険で固めて、あとから自費を考えればいい」

これは非常にリスクの高い考え方です。

なぜなら、保険は単価が一定であり、ルールが変わればすぐに収益に影響が出るからです。

開業後に患者さんの流れが「保険を前提」に固定されてしまうと、後から自費へ移行するのは非常に難しくなります。

これからの接骨院経営は「保険+自費」が前提になる

結論からお伝えすると、これからの接骨院経営は「保険+自費」の設計が前提になります。

保険100%モデル
保険70%+自費30%モデル
保険50%+自費50%モデル

どれが正解ということではありませんが、開業前の段階で「自費をどう組み込むか」は必ず設計しておくべきです。

自費と聞くと、多くの先生がこう不安に思います。

「本当に患者さんはお金を払ってくれるのか」
「押し売りみたいにならないか」

しかし実際には、「必要性が伝わっている自費」は患者さんに受け入れられます。

問題なのは、「設計がないまま場当たり的に自費を出す」ことです。

保険請求を続けたいなら、開業前に必ず押さえるべき視点

これから保険を軸に開業したい先生にとって、重要なのは次の視点です。

負傷原因を適切に管理できる体制を作る
来院動機と症状の整合性を常に意識する
記録を「誰が見ても分かる形」で残す
長期施術の管理ルールを明確にする

これらはテクニックではなく、院の「文化」に近い部分になります。

開業してから直すのは非常に難しいため、最初から仕組みとして組み込んでおく必要があります。

「保険があるから安心」という時代はすでに終わっている

かつては、立地が良くて、最低限の腕があれば、ある程度は保険だけで経営が成り立つ時代がありました。

しかし現在は、

患者数の減少
競合院の増加
口コミの可視化
広告規制の強化

と環境が大きく変化しています。

今はむしろ、「どれだけ設計して開業しているか」でスタートの差が決まります。

自費割合はどのくらいを目安に考えるべきか

よく聞かれる質問が、

「開業時点で、自費はどのくらい考えておけばいいですか?」

というものです。

実務の現場感覚としては、

最低でも売上の20〜30%
理想は40〜50%

このくらいを想定して設計している院の方が、経営が安定しやすい傾向があります。

最初からすべてを自費にする必要はありませんが、「いつかやる」ではなく「最初から設計しておく」ことが重要です。

開業前にやるべき「保険×自費」の設計とは

設計と言っても、難しいものではありません。

どの症状は保険で対応するのか
どの領域を自費にするのか
説明の流れはどうするのか
料金表はどう設計するのか

これらを「事前に決めておく」だけでも、開業後の迷いは大きく減ります。

実際にあった失敗例

開業後によくある失敗は次のようなケースです。

保険だけに頼りすぎて単価が上がらない
後から自費を導入しようとして患者さんに断られる
説明が苦手で提案ができない
売上が保険改定に直撃して立て直せなくなる

これらはすべて「設計不足」が原因です。

これから開業する先生に伝えたい現実

私は決して「保険は危険だからやめておけ」と言いたいわけではありません。

正しく使えば、保険は非常に強力な仕組みです。

ただし、

制度を正しく理解する
グレーな運用をしない
自費とのバランスを考える

この3点がないままの開業は、リスクが高いということです。

まとめ

「接骨院 開業 保険」で検索している先生は、おそらく「不安だから」このページに辿り着いたはずです。

保険請求は今後も続きます。
しかし、以前と同じ感覚で経営できるとは限りません。

だからこそ、

制度を知る
設計をする
準備をする

この3つがこれまで以上に重要になります。

開業はゴールではなく、スタートです。

不安を放置するのではなく、整理した上で進むことで、開業後の未来は大きく変わります。

執筆者
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。

「接骨院 開業 本」と検索している先生は、開業に向けて不安や迷いを抱えているはずです。

「開業って実際に何から始めればいいのか分からない」
「ネットの情報は多すぎて、逆に混乱してしまう」
「本当に信頼できる本はどれなのか知りたい」

こうした悩みを持つ方に向けて、この記事を書いています。

私は、接骨院・整骨院の開業支援を行う中で、これまで数百件の現場を見てきました。
その経験を一冊にまとめた書籍が、Amazonの特定カテゴリーでランキング1位を獲得しています。

「良い本を読むこと」と「成功できるかどうか」はイコールではありませんが、遠回りを防ぐための地図になる本は確実に存在します。

この記事では、接骨院開業に役立つ本の選び方と、なぜ“現場経験ベースの本”が重要なのかを解説していきます。

接骨院の開業に「本」が必要な理由

開業準備というのは、多くの先生にとって人生で初めての経験です。

柔道整復師としての知識や技術は学んできていても、以下の分野はほとんどの方が未経験です。

資金調達
物件選び
内装
保健所手続き
保険請求
集客導線
経営設計

これらをすべて独学でミスなく進めるのは、正直かなり難しいのが現実です。

そこで必要になるのが、「手順を体系化した本」です。

ネット情報ではダメなのか?

「いまの時代、本なんて読まなくてもネットに情報はある」
そう思われる方も多いかもしれません。

しかし実際に現場で支援していると、こんな先生が多く見られます。

調べすぎて何が正解か分からなくなっている
断片的な情報だけを信じて失敗する
最新の法規制を見落としている

ネット記事は“誰でも書ける”情報ですが、本として出版されているものは最低限の責任と構造があります。
その違いは想像以上に大きいです。

Amazonランキング1位を獲得した理由

私が執筆した

「接骨院開業準備ガイド 〜2ヶ月目には売上100万円達成〜」

は、多くの開業予定者の先生に読まれ、Amazonの該当カテゴリーでランキング1位を獲得しました。

評価していただいた理由として多かった声は次の通りです。

理論ではなく実例ベースで書かれている
成功談だけでなく失敗例も載っている
開業前にやるべき順番が明確だった

私自身が開業支援の現場で実際に支援してきたリアルな内容に絞って書いているからこその評価だと感じています。

無料で読める小冊子を配布している理由

書籍とは別に、現在「無料小冊子」も配布しています。

理由はシンプルです。

開業直前になってから相談に来る先生があまりにも多いからです。

本来は、もっと早い段階で知っていれば防げた失敗ばかりです。

高額な内装工事をして後悔した
場所選びを間違えた
借金だけが残った

こういった事態を少しでも減らしたいという想いから、無料配布を行っています。

接骨院開業系の本を選ぶときの3つのポイント

1つ目は「現場ベースかどうか」

理論や机上の空論ではなく、実際の開業支援事例が載っているかが重要です。

2つ目は「数字が具体的かどうか」

費用、期間、売上モデルなどが曖昧な本は注意が必要です。

3つ目は「失敗事例が書かれているか」

成功談だけの本は、現実を歪めます。

本だけでは足りない理由

正直に言います。

本を読んだだけで成功できるほど、接骨院経営は簡単ではありません。

立地
お金
地域性
タイミング

すべてが絡み合っています。

だからこそ私は「本+実務サポート」という形で支援を続けています。

まとめ

「接骨院 開業 本」で検索している時点で、あなたはすでに真剣に未来を考えています。

無計画に勢いで開業して後悔する人もいれば、正しい情報を手に早く動き出す人もいます。

時間は戻りませんが、選択は今できます。

執筆者
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。