2025年11月4日
接骨院・整骨院の開業の流れ|初めてでもわかる6つのステップと実務チェック
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はじめに
接骨院・整骨院の開業は、資格や臨床経験だけでは成功しません。資金計画、物件、行政手続き、集客準備などを抜け漏れなく進める必要があります。ここでは「接骨院 開業 流れ」を6つのステップにわけ、実務的なチェックポイントとつまずきやすい点を具体的に解説します。初めての開業でも、何を優先するべきかがはっきりします。
ステップ1:資格・要件の確認
柔道整復師免許があるのは前提です。保険診療を考えるなら、施術管理者の要件(研修受講や実務経験年数など)も確認してください。要件を満たしていないと、保険請求ができず収入に大きな影響が出ます。
チェックポイント
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免許証の原本と登録済証の所在確認
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施術管理者要件(実務年数など)の確認・証明準備
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個人事業か法人かの選択
関連:接骨院開業に必要な資格とは?柔道整復師が知っておくべき実務経験と届出の全知識
ステップ2:事業計画・資金計画の策定
金融機関は「保険の入金に時差がある」点を重視します。開業直後は療養費の入金に数ヶ月かかるため、運転資金をしっかり確保してください。目安は自己資金3割+運転資金4か月分です。
作るもの
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創業計画書(売上構成:保険・自費・物販・訪問)
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月次収支計画(売上・原価・経費)
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必要資金一覧(内装・機器・広告・運転資金)
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調達方法(公庫、信用保証協会付き融資、リースなど)
Excelテンプレートや創業シミュレーターを使うと効率的です。
ステップ3:物件選定と地域調査
立地で集客は大きく変わります。ターゲット層が通いやすい立地か、競合はどの程度か、通行量はどうかを実際に現地で確認しましょう。
確認項目
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半径2kmの競合数(商圏の需給バランス)
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駅からの動線・車での来院動線
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商圏人口の目安(3万人/院を損益分岐の参考に)
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賃料の目安(売上の10〜15%以内が目安)
現地は時間帯(午前・午後・夜)・平日・週末を分けて観察することをおすすめします。
ステップ4:内装・設備・医療機器の準備
内装は「動線の短さ」と「患者の安心感」を両立させることが重要です。保健所のチェックも想定して、施術スペースや待合の面積配分を決めます。
目安と注意点
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受付+待合:全体の約20%を目安に確保
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施術室:ベッド1台あたり3〜4㎡を確保するイメージ
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導入機器:干渉波、超音波、牽引、ウォーターベッド等の検討
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レセプトコンピュータ・電子カルテの導入・連携
複数社から見積もりを取り、工事中は進捗写真を残すとトラブル予防になります。
ステップ5:届出・申請・開業準備
保健所への「施術所開設届」は開設後10日以内が一般的です。書類の不備があると保険請求に間に合わないため、余裕をもって相談しておきましょう。
主な提出書類
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施術所開設届・平面図・案内図
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柔道整復師免許の写し
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雇用契約書(複数名在籍の場合)
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税務署への開業届、社会保険・雇用保険の手続き
参考リンク:接骨院を開設するには「開設届」が必要?開業届との違いと提出の流れを解説
ステップ6:集客・スタッフ教育・運営体制
開業直後は「認知度作り」を優先します。開業1か月前からSNSやLINE、Googleビジネスプロフィールを整え、工事の様子や限定の案内を発信して期待値を上げましょう。
実務ポイント
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Web予約で初診動線を短くする
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口コミ依頼のタイミングと導線を設計する
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新人スタッフのオペレーションマニュアルを準備する
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開業3か月で損益分岐を目指す(リピート率70%を目安)
まとめ
接骨院・整骨院の開業は「資格確認→資金計画→立地→設備→届出→運営」の6つの流れを着実に進めることが成功の近道です。特に資金計画と地域調査は後から修正が難しいため、時間をかけて精度を高めてください。本記事をチェックリストとして活用し、理想の治療院づくりに役立ててください。
この記事を書いた人
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行い、集客・医療機器・融資でトータルサポートしています。
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