2025年11月2日
接骨院の開業融資を徹底解説|9割が利用する日本政策金融公庫のポイントと注意点
ブログ
接骨院を開業する際に、最も多くの先生が悩むのが「融資」の部分です。
「どこから借りるのが良いのか?」「自己資金はいくら必要?」「審査は厳しいの?」
こうした疑問を持つ方はとても多いです。
本記事では、これから開業を目指す先生向けに、日本政策金融公庫を中心とした融資の仕組み・流れ・審査ポイントをわかりやすくまとめました。
開業に必要な資金の目安
まず、接骨院を開業する際に必要となる資金は、一般的に800万円から1500万円程度が目安です。
この金額には、以下のような費用が含まれます。
-
内装工事費(壁紙(クロス)・床・受付カウンター・エアコン・配線・トイレ・カーテンなど)
-
物件取得費(家賃・保証金)
-
医療機器の導入費用
-
広告宣伝費(ホームページ制作費・オープンチラシ)
-
開業準備中の生活費・運転資金
内装・看板代・物件取得費や医療機器の台数によって差はありますが、1000万円前後を想定しておくと現実的です。
自己資金はどのくらい必要?
融資を受ける際、自己資金がどれだけあるかは重要なポイントです。
接骨院の開業では、100万円〜200万円程度の自己資金を準備しているケースが多く見られます。
ただし、「貯金だけ」ではなく、次のような形でも自己資金とみなされる場合があります。
-
家族や親からの支援金(援助金)
-
定期預金や奥様の口座も含めた貯蓄実績
-
開業準備で支払った領収書(自己負担分)
特に親からの援助は珍しくありません。金融機関もその点は理解しており、きちんと資金の流れを説明できれば問題ないことがほとんどです。
融資の選択肢|銀行か日本政策金融公庫か?
接骨院の開業融資には主に「銀行融資」と「日本政策金融公庫(通称:公庫)」の2つの選択肢があります。
しかし、実際のところ9割以上の先生が公庫を利用しています。
銀行融資の特徴
-
審査が厳しく、開業前は実績がないため通りにくい
-
保証協会を通す必要があり、手続きが煩雑
-
担保や保証人を求められるケースが多い
日本政策金融公庫の特徴
-
創業支援に特化しており、開業前の事業にも融資可能
-
実績がなくても「創業計画書」で評価される
-
低金利・長期返済が可能
-
返済は半年後からスタートすることもできる
特に初めて開業する場合、公庫の方が圧倒的に現実的です。
接骨院開業支援を行っている私たちのサポートでも、ほとんどの先生が公庫からの融資でスタートしています。
融資を受けるまでの流れ
公庫で融資を受ける場合の一般的な流れは以下の通りです。
-
開業計画の作成(創業計画書)
-
必要書類の準備(免許証・見積書・賃貸契約書など)
-
公庫への申込み(WEBまたは窓口)
-
面談(約60〜90分程度)
-
審査・結果通知(1〜2週間程度)
-
融資実行
このうち最も大切なのは略歴と自己資金です。
日本政策金融公庫では、勤務年数が6年以上あると、プロとしての実績があると見てもらえる傾向があります。そのため、6年以上の経験があると安心です。
勤務実績が短いと、経営者としての経験が浅いと判断されることもあるため、可能であれば6年以上の勤務歴を目指しましょう。
日本政策金融公庫は、過去を見ます。ご自身が開業しよう!と思って、
どれくらい準備してお金を貯めてきたか?というのが通帳に表れます。
しっかりと堅実に貯めていきましょう。
お持ちいただく資料(提出書類)
面談の際には、以下の資料を持参する必要があります。
① 創業計画書(売り上げ、売上原価、経費計算に用いた資料)
② 源泉徴収票(直近分)
③ 預金通帳(普通、定期、積み立てなど。ご家族名義分も含む)
④公共料金や借入金などの支払いの明細書
⑤創業のために使った資金の領収書
⑥物件を取得するための不動産の賃貸契約書または、お見積もり
⑦柔道整復師の免許証(登録証)
⑧運転免許証
これらは、融資担当者が「どのように数字を出したか」「資金の流れは明確か」を確認するために重要な書類です。
数字に根拠があるかどうかで、審査の印象は大きく変わります。
面談で聞かれる主な質問
面談では、担当者が以下のような質問を行います。
-
なぜこの地域で開業しようと思ったのか?
-
想定する患者層と集客方法は?
-
家族は応援してくれているか?
-
今の院を退職して問題はないか?(前職とトラブルにならないか?)
このとき、漠然とした答えではなく、明確な根拠を示すことが重要です。
たとえば「1日20人来院で月商100万円を目指します」と言うだけでなく、
「競合数・施術単価」など在職時の院のデータをもとに説明すると説得力が高まります。
失敗しないためのポイント
-
見積書を集めて、根拠のある金額を出す
-
自己資金の入出金履歴を明確にしておく
-
創業計画書は“夢”ではなく“現実的な数字”で書く
-
面談での印象を大切にする(言葉遣い・服装(特に爪やクツはきちんとしておきましょう))
融資担当者は、単に「貸すかどうか」だけでなく、長期的に返していけるかを見ています。
そのため、「誠実さ」と「現実的な計画性」を伝えることが成功への近道です。
専門家のサポートを受けるのも有効
融資の書類作成や計画書のまとめ方に不安がある場合は、日本政策金融公庫や地域の商工会議所などに事前に相談するのも有効です。
また、開業支援会社や中小企業診断士といった専門家に依頼することで、より具体的なアドバイスを受けることもできます。
当社では、開業支援の中で「資金・集客・医療機器」までトータルでサポートしています。
必要に応じて、専門家との連携も可能です。
まとめ|融資は「準備」で9割が決まる
接骨院の開業において、融資は避けて通れないステップです。
特に日本政策金融公庫は、多くの先生にとって最も現実的な選択肢です。
しっかりとした準備と計画を行えば、開業は決して難しくありません。
焦らず、ひとつずつ進めていきましょう。
執筆者
株式会社リードメディカル 山崎紀之
接骨院・整骨院の開業支援を全国で行う。
集客・医療機器・融資で、トータルでサポートしています。
新規開業に
失敗したくないあなたへ